11/22 底が割れた!の巻♪
さて、見ての通り底が真っ二つです。
このような割れ方になったら、もう接着剤では無理です。
底材のウレタンが劣化してるんで、断面を接着しても、その奥からボロボロと崩れてくるんですよ。
と言う訳で、底が劣化した婦人ブーツのオールソールでっせ~♪
さて、早速バラして行きますが、白い所に注目してください。
大体の市販品のアッパーの下側はウレタン底の食い付きを良くする為に革の表面を荒らしてあります。
コレが個体差があって、分解に耐えられんぐらいの下手くそな削り方をしてあるやつとか、酷いのになると穴が空くまで削ってあったり・・・
今回は運悪く、一部そういうのに遭遇するパターンです(笑)
接着時の段差がキツく付いてるだけで大丈夫なとこと、ホンマにペラペラな場所の見極めが難しいんですけど、力の掛かる部分は絶対にどうにかしとかんとアカンので、ついでに直してから底付けします♪
と言ったところで明日に続く♪
ほなー!(゜ロ゜)
このように、サクッと補強がされました♪
折り返し式なんで、横から見ても殆ど判らんで~(笑)
元の底を幅広のセロテープで固定して、ザックリとライン取りして切ったとこです。
コレを、ボールペンのマーキングに沿って仕上げたら・・・
このように、片方の外周を大まかに仕上げてからもう片方の材料に貼り付けます。
色んな手順がありますけど、今回はこんな感じで左右対称に作って行きます♪
と言ったところで明日に続く♪
ほなー!(゜ロ゜)
11/24 底付けをするの巻♪
さて、左右対称で作られた底にハーフソールを貼る場所を荒らして、溝彫りします。
溝彫りは底縫い糸を切れにくく、深く沈めるためです♪
ちなみに、この時点でヒール部分と重なる位置の厚みなどは調製しときます♪
知る人ぞ知る、今は手に入らない貴重なローインキです♪
サッとワックス掛けするだけで、ホンマにエエ艶が出ます。
もう、最後の1瓶。
コレ無くなったらどないしょー(笑)
今回は底縫い屋さんの山林さんの画像はありません(笑)
このような感じで底が縫い付けられたところで、明日に続く♪
ほなー!(゜ロ゜)
11/25 ヒールの補強の巻♪
さて、昨日の画像との違いが判ります?
底縫いミシンの針はメチャメチャ太くて、割りと大穴が空きます。
このように、縫い目を叩くと穴が締まって糸も締まります。
「叩いて落ち着かせる」のは見た目に判りにくいですけど重要な工程です。
よーく観察してみて下さい♪
角の内側の1ヶ所にヒビを発見したので、ついでに全部直しときます♪
mont-bellの寝袋の外側に使われてるナイロンシートを貼り付けてロックタイト4850を浸透させてます♪
さて、浸透させたロックタイト4850が乾いたら、大まかに切り取ります♪
で、切り取った断面と表面に再びロックタイト4850
を塗り付けたところで明日に続く♪
ほなー!(゜ロ゜)
11/26 ヒールを仕上げるの巻♪
さて、流したロックタイト4850が固まったら仕上げて行きます♪
この工程で使われてるmont-bellの寝袋のナイロンシートは寝袋に使われるぐらいなんで、メチャメチャ薄くて嵩張りません。
引っ張り強度も高くて補強材にうってつけの素材です。
繊維に樹脂を浸透させる方法はプラスチック素材の補強に関してよくあるパターンです。
いわゆるFRPと同じようなもんです。
現時点でかかとのゴムを交換しとくと仕上げがメチャメチャ楽チンなんで、先にやっときます♪
横の薄いとこは割れたとしても履き心地には影響がないですが、欠けてどっか行ったら体裁が悪いんで許せません(笑)
コレで安心でっせ~♪
と言ったところで明日に続く♪
ほなー!(゜ロ゜)
11/27 完成♪
さて、今日で完成です♪
底縫い糸を保護する、滑り止め、底自体の磨耗を防ぐ、とハーフソールを貼ることのメリットは大きいです。
今回は薄手のタイプで、貼り方はいわゆる「シモスペ」です♪
このように、補強したヒールをステンレスのビスでガッチリと固定します♪
ハイ完成♪
大変、履き心地が良いとの事でしたので、極力新しい底の「返り」もすぐに馴染むように元の中敷きの骨の痕跡から割り出した角度で底材に曲げ癖を付けてあります。
コレやっとくとベンズの馴染みが全然違うんですよ。
曲げ癖はハーフソール貼る前と貼った後にもグイグイやってます。
末永く、大事にお履き下さいませ♪
「底が劣化した婦人ブーツのオールソール♪」
連載終了です♪
ほなー!(゜ロ゜)