9/15 大穴が空いてまっせ!の巻♪
さて、今日から「乗馬ブーツのアッパー交換♪」連載デェイス♪
見ての通り、小指側のアッパーが擦りきれて大穴が空き、更に矢印のとこに注目!
何と!蹄で踏まれたそうな!!!
この方は足幅が狭くて、中で動いて前に突っ込んで、自分の足でアッパーを突き破っています。
そもそも、お客さまの足の振りと、このブーツの設計上の足の振りが違うからこうなります。
買う時にそんなん言うてくれへんし、アカンと判ったとて、じゃあどないすんねん?ってハナシなんですよ。
ちなみにコレは郵送などでは受け付けません。
必ず、ご本人さまの足を見て、現物と比べて判断します。
でないと、すぐに同じ運命を辿ります。
と言う訳で。
アッパーを直した上で「足に合わせて作り替え」も一緒にやっていきます。
バンガリマース( ´∀`)
過酷な使用状況とローテーションが厳しい事が多い乗馬ブーツの場合は、あるあるです。
中底が原型無し。
全部作り替えまっせ~♪
と言ったところで明日に続く!
ほなー!(゜ロ゜)
9/16 思い切って、の巻♪
損傷部分の都合で広範囲の当て革をせなアカンので、段差は取ってしまう事にしました。
甲の部分は冒頭でも言うてた蹄で踏まれた痕らしいです!!!
骨折はしなかったそうですが、そりゃ痛かったと思います・・・
とりあえず、閉じて貼り直して次の工程へ!
セメント製法あるあるなんですけど、接着剤が強すぎて材料破壊が起きてます。
白っぽいところが千切れてハリボテの底にくっついて革の傷みもあったのか?強度が足りずに破れました。
言うたら厄介なハナシなんですけど、ついでにかかとのカーブも修正出来てエエやん、とポジティブに考えたところで明日に続く!
ほなー!(゜ロ゜)
9/17 まずは外側からの巻♪
さて、まずは外側から行きます。
外側はお馬さんに擦れまへん。
なーんも考えんと当てたらエエだけなんで楽チンデェイス♪
幅広のセロテープで型取りしたラインでボンド7000+を塗っていきます♪
ちなみに革の質は脂分が多く、悪天候でも少しでも傷みにくいようなやつ、そしてアッパーの筒の部分に使われてるシボ模様に近い、と言う基準で選びました。
そして、部品をベタ貼りでしっかり貼り付けたところで明日に続く♪
ほなー!(゜ロ゜)
9/18 アッパーの底を延長するの巻♪
お馬さんに擦れへん側は縫い目が剥き出しでも平気なんで、このように簡単に縫えます♪
次はお馬さんに擦れる側なので、折り返し式で作って縫い目が切れんように作っていきます♪
折り返し式は切り込みを入れとかんと言う事を聞いてくれまへん(笑)
乗馬ブーツは分厚くて縫いにくいので、針が折れんように慎重に縫い進めて行きます
こちら側も延長完了したところで明日に続く♪
ほなー!(゜ロ゜)
9/19 アッパーの部品を作るの巻♪
アッパーの当て革の形はお任せ頂いたので、やりやすい感じで作らせて頂きました♪
なので型取りもマッハです。
こんな感じでサッとマーキングして決定して行きます♪
蹄で踏まれた場所もカバーするので、予定より大きめになりました♪
左も反転で同じ部品を作ります。
この部品もお馬さんに擦れて糸が切れんように、折り返しで縫い付けます♪
と言ったところで明日に続く♪
ほなー!(゜ロ゜)
9/20 当て革が出来上がるの巻♪
さて、縫い付けた部分を折り返して仮止めしてチェックしてます。
形やら硬さやら色んな要因があって上手く貼るのはコツが要ります。
今回は先を決めて、後は順番に貼っていくスタイルで行きました♪
右下にチラリと見えてるメノウの棒で甲の部分の切り返しデザインのとこをゴシゴシとしっかり押し付けてます。
デザインのアクセントになるのと動きが激しい部分なんで、ここは縫い付けます。
お馬さんに擦れにくい段差の下側を縫い付けます♪
後は細かいとこ、シワの段差とかを叩いて馴染ませて行きます♪
と言ったところで明日に続く♪
ほなー!(゜ロ゜)
9/21 新しい中底を作るの巻♪
ラスト無しでアッパーを吊るのは、まぁまぁ指の力が要ります。
あんまりムチャしたら、わたしのようにCM関節症になって苦しむ事になるんで、程々に道具を使いましょう(笑)
お客さまの平面足型から新しく作った中底の型紙を元に、3ミリのショルダー革、ベースにベンズの床革をこうやって重ねて一気に削り出します♪
裏地の穴当てです♪
見て見ぬ振りの出来ない性格なんで、ついでに「まぁエエか」で裏地も革を当てて縫い付けて直しときました♪
後で開けるん嫌、と言うのもあります(笑)
今回は「足の振り」も修正して、小指側に負担も掛かりにくくなってるので長持ちすることでしょう。
と言ったところで明日に続く♪
ほなー!(゜ロ゜)
9/22 足合わせの準備の巻♪
元のファイバー芯を移植して新しい中底が出来上がりました♪
こんな感じで嵌め込んでボンドを塗ります♪
固定は「とりあえず」後ろ半分だけしといて、お客さまの足を入れてから貼り付ける場所を決めて行きます♪
デザインどうかな?とは思ってましたけど、気に入って頂いたようで良かったです(笑)
お客さまご自身の細い足幅に合わせると、見ての通りのシュッとしたシルエットになりました♪
と言ったところで明日に続く♪
ほなー!(゜ロ゜)
9/23 足に合わせて吊っていくの巻♪
ある程度、目安を付けて貼っておいて、こんな感じでドカッと膝の上に乗って頂いた状態で吊ってます♪
「靴はかかとで履くもの」と言う事で、かかと側にしっかりと行っといて欲しいからなんですよ。
メチャメチャ遠慮しはる人も居てますけど、ドカッと遠慮なく乗ってください(笑)
何回か立ったり座ったりで体重を乗せて「心地良い圧迫」で足がつっかえて止まる位置で固定します。
最終的にご本人さまの左右の感覚が揃ったら足合わせ終了デェイス♪
お疲れ様でございます!
合い底を作ります♪
今回はマッケイ製法で全部底をベタ貼りする仕様ですが、ゆくゆくブラックラピド製法にも転用出来るように少し大きめに周囲のサイズを設定しときました♪
長年履けますように・・・
と言ったところで明日に続く♪
ほなー!(゜ロ゜)
9/24 底縫いを掛けるの巻♪
最初の画像に戻って頂くと、よー判るんですけどスマートになったでしょ?
ピッタリやと、パフォーマンス上がる!筈(笑)
画像見て、あーこの時大変やったなぁって思い返して、それも遠い記憶のようなぼんやりした感覚(笑)
疲れてますな〜
我等が山林さんに縫うて頂いております。
ホンマ、山林さんが仕事引退しはったらどないしょーっていつも思ってます。
と言ったところで明日に続く♪
ほなー!(゜ロ゜)
9/25 縫い上がったらやるべき事の巻♪
こんな感じで縫い上がりました♪
アッパーの下側がガチガチに固められ過ぎたセメント製法のせいで破れてましたけど、それを継ぎ足して直したおかげで、お客さまの踵のカーブにより近く出来たのは、まさに怪我の功名(笑)
縫い上がった底縫い糸にМシンナーで溶いたN300+を浸透させて、濡れてるうちに徐々に濃度を上げながら何回も塗り重ねて、最終的に通常濃度のN300+を塗り付けてます。
糸からの浸水はしにくいようにと言う工夫です。
コレで何年持つかはまだデータが取れてないんで判りませんけど、相当長持ちするとは思います。
と言ったところで明日に続く♪
ほなー!(゜ロ゜)
9/26 本底を貼り付けるの巻♪
「アブミ感覚」を大事にする為に薄く設定しました♪
分厚い底を付けた過去の例もあったんですが、どうやら薄い方がエエみたいです。
材料はリスクシートです♪
判り易いようにボチョっと大袈裟に付けてますけど、この後に、もうちょい平らにしてます(笑)
点々と付けとくと、万が一剥がれても全部剥がれんようにと言うやつです。
本底を貼り付けてヒールの取り付け部分のモールドを削り取ったところで明日に続く♪
ほなー!(゜ロ゜)
9/27 完成♪
ハイ完成♪
裏から撮り忘れてますけど、ヒールはブロックタイプのフレッチャーヒールです♪
固定は接着+小ネジでしっかり止まってます!
コレぐらい離れてたら、アレ?コレって当て革して直したん?
とかは言われんと思います(笑)
アッパーの下側を延長して防水処理もキチンとやってあるとは言え、悪天候でも使わんとアカン過酷な状況なんで心配です。
今回は様々な乗馬経験者からのフィードバックを元に、より擦り切れにくい当て革のやり方、底の厚みの工夫などを心掛けました♪
長持ちするとエエなぁ・・・
「乗馬ブーツのアッパー交換♪」
連載終了デェイス♪
ほなー!(゜ロ゜)