1/4 題名のまんまです♪
さて、今日から「足に合わせて作り替えるついでに、ツマ先の形も変える♪」連載です♪
サイズは合ってるのに、何か痛くて履けない、履き心地が悪いと言う意味の判らん症状は、殆どの場合「骨の位置が合っていません」
お客さまの骨の位置に合わせて中底を作り替えて、足に巻いて組み立てていけば快適に履けるようになります♪
このように、シュッとしたシルエットですが、もうちょいツマ先を丸くしたいとの事です。
この作業では中底を新たに設計し直すので、実は簡単な作業です。
限界もありますが、出来まっせ~( ´∀`)
まずはお客さまの平面足形と比べます♪
明らかに靴は内側に振った設計に対し、お客さまの平面足形は足の内側が真っ直ぐで、外側に振った形をされています。
このように、平面足形の上に靴を置いて、かかとの向きを合わせて見ると、小指側の容積が足らんのが判ります。
こんなに出てたら、めっさ痛いと思います(笑)
と言ったところで明日に続く♪
ほなー!(゜ロ゜)
1/5 底の構造を見極める?
見ての通り、ウェルトはキッチリ掬い縫いしてあるのに、張り出し部分に底縫いは掛かってません。
十分、縫える幅あるのに。
謎(´Д`)
このように、バカっと前が空けられるんで、ドライバーで起こしてヒールを外してしまいます。
この構造、バラすのは楽な方です。
ヒールの釘は素直なやつで、フツーには取れんけど、バラそうとするとサクッと外れる感じです。
修理のしやすい構造はありがたい♪
ヒールが無事、外れました♪
今回はお客さまの足に合わせて作り替えもするんで、掬い縫いも外します!
と言ったところで明日に続く♪
ほなー!(゜ロ゜)
1/6 掬い縫いを外して中底を取り出すの巻♪
さて、ウェルトが外れました♪
この時点では再利用の可能性もあったんで、左右のマーキングを一応してます。
このように、ウェルトを外すとポロっと中底は取り出せます♪
ジャランさんの靴とかで良くある、切り込み入れて掬い縫いしてあるやつです。
切り込みの深さは職人の技量などで個体差があると思います。
サイズが合ってなくて発汗量が多かったりすると、中底が傷んで切り込みのとこから割れる事があるんで、この構造の中底は、あんまり信用してません(笑)
このように、かかとの向かう向きを合わせて、平面足形の上に乗せてみます。
お客さまの骨の位置と全く合っていません。
親指の付け根側は余ってて、小指の付け根側は全く足りません。
と言う訳で、中底を作り替えるで~♪
と言ったところで明日に続く♪
ほなー!(゜ロ゜)
1/7 中底を作り替えるの巻♪
さて、お客さまの平面足形の上に透明のシート(クリアファイルです)を乗せて骨の位置に合わせて中底を描き直して切り出します♪
ついでに先の形も丸く作り替えるんで、こんなラインで♪
先ほどの型紙からベンズの床革を切り出します♪
1ミリぐらいのやつです。
ベンズ革のベースにショルダー革を重ねて貼り付けたとこです。
このまんま、周囲を仕上げて行きます。
と言ったところで明日に続く♪
ほなー!(゜ロ゜)
1/8 中底を仕上げて行くの巻♪
さて、切り出して周囲を仕上げた中底の後ろ半分にファイバー芯を戻します。
こんな感じのシャンクと言う鉄の骨が入ってます♪
コレはまさに縁の下の力持ちと言えます。
シャンクの入ってない靴は踏まずのサポートがされないんで、メチャメチャ疲れまっせ。
こんな感じで仕上げときます♪
このように、お客さまの平面足形を見ながら大体曲がるであろう角度(笑)を中心に周辺に曲げグセを付けておきます♪
やっとくとやっとかんでは、かなり仕上がり後の馴染みかたが変わります。
と言ったところで明日に続く♪
ほなー!(゜ロ゜)
1/9 ヒールカウンターを外す?の巻♪
見ての通り、どこやねん!って言われそうな画像です(笑)
元々、靴は内振りに設計されてて、お客さまの平面足形は外振りです。
と言う訳で、ヒールカウンターの外側だけ外して外振りに作り直した新しい中底に沿うように貼り付け直します♪
見ての通り、判りにくいですけど、アッパーが外振りになるようにヒールカウンターを外側に扱きながら裏地に貼り付けたとこです。
コレは、やっとかんと変なシワが寄るんですよ。
細かいとこですけど、大事!
さて、右は新しい中底、左は元の中底。
キチンと貼り付けてる訳ではないですけど、嵌め込んだだけで、こんなにも形が変わります。
と言ったところで明日に続く♪
ほなー!(゜ロ゜)
1/10 お客さまの足に巻いて組み立てるの巻♪
さて、新しい中底を作って、アッパーのクセ付けが終わったら、こんな感じで後ろ半分だけしっかり貼っておきます。
前は大幅に動かす事が多いので、こうやってます。
後ろ半分、特にかかと周辺は、予めある程度固定して、ちゃんと角度決めとかんと狂いやすいんですよ。
さて、ご本人さま登場です♪
このように、かかと側にガツッと体重を乗せて貰って、足の立体に合わせてアッパーを吊って貼り付けて行きます♪
体重を乗せて、心地好い圧迫でつっかえるポイントを探します。
コレは間違いなく当店だけのノウハウが詰まった技術と言えます。
誰もがおいそれと作れる訳ではないオーダーメイドの木型の代わりに、ご本人さまの足に巻いて組み立てる方法は、かなりオーダーメイドに迫れる技術やと思います♪
見ての通り、元の底と元のヒールで仮合わせしてるんですけど、ツマ先の形がこんなに違うんですよ!
痛かったり、何か履き心地が悪い靴も、ご本人さまの骨の位置に合った中底を作り替えて、実際に足に巻いてアッパーを吊って貼り付けると、ストレスなく履けるようになります♪
コレは伝わりにくい技術ですが、「ぼったくり中敷きビジネス」よりは遥かに多くの人々を救える技術であると考えています。
10万とかする中敷きやら半敷きで救われる足の形をしてる人は、そもそもワイズさえ正しく認識すれば履ける靴はあると思います。
百貨店やからとか、そんな理由で騙されないで下さい。
心地好い圧迫は難しい。
日々、精進です。
頑張ります(゚Å゚)
と言ったところで明日に続く♪
ほなー!(゜ロ゜)
1/11 合い底を作るの巻♪
さて、ご本人さまの足に合わせ終わったアッパーから、二重式に作ってある中底の上一枚を取り出します♪
コレを一旦外して、合い底と縫い付けてから戻すと底縫い糸の糸切れを防げますし、ショルダー革がヘタって来たとしても上一枚だけの交換が出来るのでわざわざバラす必要もありません。
メンテナンスの度に全部バラす修理代が掛かるん嫌でしょ?
このように、ヒールを元の位置に置きながら幅広のセロテープにマッキーで合い底の形を描いて行きます♪
元のアッパーがグッドイヤーウェルト等、ウェルトの掬い縫いがされてたやつでも、吊り代さえ確保出来れば、こんなぺっちゃんこのマッケイ式に吊り直せます♪
この靴みたいに、そのまんまイケるやつと、ちょっと下側の吊り込み代を足さんとアカンやつで、やっぱり値段は変わって来ます。
それは元の靴の構造次第なんですよ。
形を描いて、剥がして、材料に直接貼り付けて切り出す。
この方法でやるとメチャメチャ簡単でしょ?
材料はフツーに底材に使ってるベンズを特注で薄く加工してもろたやつです。
判りにくいとこにお金掛かってまっしゃろ~(笑)
と言ったところで明日に続く♪
ほなー!(゜ロ゜)
1/12 引き続き、合い底を作るの巻♪
ヒールの周囲のカーブに合うように作りたいんで、入念にしつこく(笑)チェックします♪
大きすぎてもアカンし、小さいと失敗!やり直し!ってなるので慎重に♪
今回は詰め物に藤原化工のオリンピック級(笑)のクッション材を使ってます♪
藤原化工は、その昔「長尾製靴所」の長尾さんに連れてって貰いました。
長尾さん、感謝してまーす( ゚Д゚)ゞ
藤原化工は、ホンマにオリンピック選手のEVAやらの緩衝材とかを作ってる会社だそうです。
またそろそろ発注に行かんと。
薄く加工したベンズの合い底が付きました♪
山林さんに底縫いしてもらいまっせ~♪
と言ったところで明日に続く♪
ほなー!(゜ロ゜)
1/13 底縫いして、本底付けての巻♪
このように、一周縫われました♪
この後、縫い目にはN300を浸透させて防水しときます♪
シャンクの痕、判るかな~?
見ての通り、特に踏まず側のシャンクをギリギリ避けて縫うていただいてます。
合い底の下にクロコシートを貼り付けて、ヒールの取り付け場所を削って均しておきます♪
この構造は、合い底の縫い目を本底で完全に塞いでますので、縫い目が剥き出しのマッケイ製法よりも防水性能もあるし、前がよく曲がって軽快に歩けますのでオススメ♪
と言ったところで明日は最終回♪
ほなー!(゜ロ゜)
1/14 完成♪
ハイ完成♪
このように、中敷きは元の中敷きを戻してあります♪
ボロボロになってたら新しくしますけど、活かせるやつは使います♪
お客さまの希望通り、ツマ先を丸く優しいシルエットに変更しました♪
ある程度でしたら追加料金無しでツマ先の形も変えられますんで、作り替えをされる方はご相談下さい♪
痛くて履けない靴が眠ってたら足に合わせて作り替えしましょう♪
「足に合わせて作り替えるついでに、ツマ先の形も変える♪」
連載終了です♪
ほなー!(゜ロ゜)