1/12 何か履き心地が良くないの巻♪
さて、今日から「足に合わせて作り替え♪」連載です♪
お客さま曰く、何か履き心地が良くない、との事です。
靴も足も立体です。
立体のどこかが合わんかったら不快で当たり前。
こうやって履いて見せて貰っても判らんとこが合ってないんですよ!
こんだけ余ってたらアカンに決まってますやん(笑)
ここは紐で思いっきり縛っても無理な事が判明。
見ての通り、グッドイヤーウェルト製法です。
コレを足に合わせてアッパーを詰めるのってメチャメチャ難しいんで、最近は敬遠してます(笑)
詰め物も「仮」なんで結果が出しにくい。
と言う訳で、一旦マッケイ製法の形に魔改造してから足に巻いて組み立てて、張り出しの大きい合い底を縫い付けて、その下に本底を付けて出し縫いを掛ける。
マッケイ製法の合わせやすさの利点を活かしてサイズ、ワイズをピッタリにしつつ、耐久性もそこそこと言うエエとこ取りのブラックラピド製法に作り替えます♪
44000円~
と言ったところで明日に続く!
ほなー!(゜ロ゜)
1/13 先芯を捲るの巻♪
こんな感じで、中底を取り出します♪
グッドイヤーウェルト製法の下側がマッケイ製法の形になるには、この先芯の下側が邪魔になります。
延長するのにも先芯がくっついたまんまやと、邪魔になるんで外さんとどうしようも無いんですけど。
一旦、こうやって外して内側に折り畳んでしまうと、再び接着する時に割りと言うことを聞いてくれるようになります(笑)
先芯の周囲も延長するんで、まずは裏側に補強材を入れます♪
当ホームページではお馴染みのmont-bellの寝袋の外側のナイロンシート!ナイロンタフタです♪
と言ったところで明日に続く!
ほなー!(゜ロ゜)
1/14 アッパーの下側を延長するの巻♪
さて、アッパーの下側を延長していくんですが、まずは外側からです。
画像では既に折り返し式で縫い合わせてあります♪
アッパーはウェルトの付いてたとこ全部を延長しますが、裏地は小指側のみ。
コレはお客さまの「足の振り」が外振りやから、小指側が、ちょっと足らん!と言う理由なんですよ。
多分、組上がったら内側からは見えんとは思うんですけど念のため!
と言ったところで明日に続く!
ほなー!(゜ロ゜)
1/15 中底を新しく作り替えるの巻♪
見ての通り、中底がバキバキです。
不快で発汗量が多かったのが大きな原因の一つかと。
指の形がクッキリ写ってるんで、正しい位置の予想はしやすいです♪
こんな感じで、お客さまの平面足形に合わせて新しい設計ラインを決めて行きます♪
親指の付け根辺りが余ってて、小指側が足らんのを補正します♪
黒が大まかライン、赤が迷いのライン(笑)
と言ったところで明日に続く!
ほなー!(゜ロ゜)
1/16 新しい中底の巻♪
さて、新しく作り替えた中底を元の中底と重ねてみた画です。
親指の付け根側が余ってて、小指側の付け根辺りは足らないのが補正されてます♪
今度は上下入れ替えてみた画です。
こんだけ変わると、足入れの瞬間から違いまっせ!
こんな感じで、シャンクを取り付けます♪
後ろ半分はカチッと作っとかんと、負担掛かってしんどいねんで~!
と言ったところで明日に続く!
ほなー!(゜ロ゜)
1/17 足に合わせて貼っていくの巻♪
こんな感じでクッションは入れ替えてます♪
半敷きはそのまんま使えるんで、戻します。
元の底はご本人さまに合わせるのに使います♪
高さは元のまんまやし、やりやすいです。
つま先と、かかと周りは割りとキチンと貼ってます。
あとはザックリ、予想で仮止め!
と言ったところで明日に続く!
ほなー!(゜ロ゜)
1/18 足合わせ完了の巻♪
さて、ご本人さまの足に巻いて体重を掛けて「心地好い圧迫」のところで貼り付けて、足合わせ完了です♪
と、簡単に書いてるけど、そら時間掛かるし大変ですよ。
人によりますけど、やっぱり紳士靴の方が合わせやすいです。
婦人靴はヒールの高さによって難易度が激変します。
関節が柔らかい、所謂「こんにゃく足」の悩みの方は特に難しいです。
下側の延長部分は個人差が出ます。
この下に合い底を縫い付けるとウェルトの装飾のように見えん事は無いです!
下側は人の視線からは殆ど見えへんし、気にしたらアカン(笑)
快適さを取るか?見た目を取るか?
市販品を足に合わせる限界もあるんですが、アッパーをたった1人の為に作るオーダーメイドは誰でもやれるもんで無いのは間違いない。
もっとエエ方法無いかなぁ。
足合わせが終わったら、すぐに接着を外して取り出しとかんと外すのにメチャメチャ大変なんですよ。
そのついでに、ご本人さまにもこうやって比べて見て頂いてます(笑)
何でコレを取り出すのか?
と言ったところで明日に続く!
ほなー!(゜ロ゜)
1/19 合い底を作るの巻♪
さて、二重式の中底の上を捲ると、こうなってます。
捲って合い底と縫い合わせてから中底を戻すと、糸の保護にもなるし、ヘタった時の交換もしやすいと言うメリットがあります♪
今回は極薄で「返り」の良い歩きやすい底を作るんで、合い底は2ミリの特注ベンズ革で作ってます♪
コレやとブラックラピド製法でやってもシングルソールぐらい曲がるんで歩きやすいですよ♪
後で着色しにくいとこを先に塗ってから貼り付けます♪
と言ったところで明日に続く!
ほなー!(゜ロ゜)
1/20 詰め物を入れるの巻♪
動かした場所なんかの経緯が判る痕。
矢印のとこは、どうしても仮止めの接着面がズレやすかったので、タックスと呼ばれる小さい釘が一本入ってます。
コレは縫う前に必ず抜いときます♪
長田周辺の靴業界、靴商店系列の方ならお馴染みの栗原純さんが「死ぬ程」送ってくれはった詰め物です(笑)
コレ、メチャメチャエエわ~♪
柔らかすぎず、硬すぎず。
今回はコレを合い底の間に採用♪
踏まずのとこが張ってるのは単にこちらの仕上げ機の都合上、この形がやりやすいからです。
後でどうにでも出来るとこなんで、立体を潰さんラインの縫い線を描いて山林さんへGO♪
と言ったところで明日に続く!
ほなー!(゜ロ゜)
1/21 合い底に底縫いを掛けるの巻♪
底縫い屋さんの山林さんに、こんな感じで一周縫うて頂きます♪
黒の線で縫ってもらってます。
消しとけよ!って話なんですけどね(笑)
内側は二重式の中底を踏んで縫いが掛かってます♪
外して取り出してあるショルダー革の中底を戻すと、この縫い目が保護されるし、数年経ってショルダー革がヘタって来たとしても上だけ替えたらエエし、微調整も外して削ったり足したり出来るし、と言うメリットが沢山詰まった構造です♪
延長部分は合い底が縫われて締まると、ウェルトの装飾のように見えん事は無い!って事でご理解お願いします(笑)
と言ったところで明日に続く!
ほなー!(゜ロ゜)
1/22 本底を付けるの巻♪
厚みはちょっと悩んでスタンダードな厚みで!
シルエットはあんまり変えない方向性で♪
ヒールも本革積み上げやで~( ´∀`)
間がちょいちょい飛んでるのは、そらもー忙しかったに決まってるやん(笑)
ハーフソールはシモスペです。
この仕上げをラウンド仕上げと言う最近の風潮が有ったとしても「シモダスペシャル」と言い続けます。
この辺の経緯、詳しくはユニオンワークスのブログに書いてありますので見てみて~(笑)
と言ったところで明日に続く!
ほなー!(゜ロ゜)
1/23 底を仕上げるの巻♪
さて、型どりしたセロテープを材料に直接貼って切り出して行きます♪
今回は極薄のガンマシートです♪
正しい読み方はジェンマらしいですけど、昴の外園さん(故人)がガンマ言うたら未来永劫ガンマなんですよ!
昨日と同じような事言うてるけど~(笑)
ヒールはステンレスのビス四点留めです♪
フツーには絶対に取れんけど、修理する時は逆回転で簡単に取れて分解による破壊が無い、靴にも部品にも優しい構造です♪
リング釘とかは保持力は強いけど外すのにダメージ大きいし、やっぱりアカンよねと思ってます。
周りを仕上げたら、あともう一息♪
と言ったところで明日に続く!
ほなー!(゜ロ゜)
1/24 完成♪
ハイ完成♪
側面の色は革積みを際立たせる為に、あえて薄めに!
この時点では(笑)
ご本人さま登場です♪
そして側面の色は、もうちょい濃い方がエエと言うことですぐに手直し!
攻めすぎましたわ(笑)
遠慮無く仰って下さいませ( ゚Д゚)ゞ
最終的にこの色になりました♪
落ち着いた色になって、革積みオーラは残しつつ・・・
「足に合わせて作り替え♪」連載終了です♪
ほなー!(゜ロ゜)