2/28 靴工房いっかどコラボ靴の巻♪
さて、今日から「靴工房いっかどコラボ♪」連載です♪
まず、お客さまに伏見の「いっかど」で採寸、かなり近いアッパーを注文していただいて、アッパーが出来上がったら鶴田健一さんが「かわごし」まで持ってきてくれます。
このように、つま先だけ仮に吊ってあります。
そして、小指側の吊り代はお客さまの平面足形に合わせる為に、心持ち大きめに作って貰ってます♪
やねんけど!あと5ミリ欲しいかな~(笑)
さて、あとはこのメチャメチャエエアッパーを「かわごし」的に料理します♪
極端に言うと「エエ顔したスニーカー」に作り替えるってとこですね。
我慢と無縁な、履き心地のエエ革靴ですよ。
鶴ちゃんが絶対にせぇへん事を満載でお届けします♪
まず、こんな感じでお客さまの平面足形を元にクリアファイルに描いて行きます。
ビスポークの幻想を打ち砕く、テキトーな感じに見えますが、ちゃんとやってるつもりです(笑)
と言ったところで明日に続く♪
ほなー!(゜ロ゜)
3/1 足に合わせて作り替えるの巻♪
さて、今回は更に曲がりやすい工夫として、ペラペラの底材を使います!
足に当たる部分は従来通りショルダー革を使ってますが、二重式の下側の中底はホンマにペラペラな1ミリぐらいのベンズの床革で作ってあります。
がっしり丈夫やけど、ペラペラ。
鶴ちゃんゴメンね。
そして、底縫いの時に山林さんに迷惑を掛けてしまうやつ(笑)
さて、クライマックスです。
もうクライマックスです(笑)
この方は「足に合わせて作り替える」上級者と言うか、何足もやっていただいてるので、こちらもやりやすいです。
心地好い圧迫の感覚って、お客さまにとっても、こちらの触覚としても難しいですからね。
ちなみに中底の後ろ半分は流石にペラペラのまんまではイカンので、もう一枚少し分厚め約2ミリのベンズの床革で補強されてます♪
このように、足に巻いて貼り付けられました♪
難しそうですが、足に巻いて体重乗せてもらって絞って貼って行くだけなんで、お客さまご自身が感覚に慣れてたら簡単なんですよ。
かかと回りから踏まず周辺のフィット感が全然変わります。
ビスポークの幻想を打ち砕く、ヒモそのまんまかぃ!みたいな感じで明日に続く♪
ほなー!(゜ロ゜)
3/2 詰め物はオリンピック級の巻♪
さて、クライマックス「足に合わせて作り替える」の肝の部分の工程が終わったので、あとは楽しい組み立てです♪
見ての通り、元になった中底と二重式中底の上の中底を捲って重ねて見ると、こんなに違います。
元の中底の形で「かわごし式」で吊ると確実に痛くなるので、当店の中底はこう言う形になってます。
見ての通り、幅広のセロテープを貼り付けて詰め物の形を取ります♪
今回は藤原化工の「オリンピック級のクッション材」を使います♪
オリンピック選手などのアスリートの靴を手掛けるとこの特注材料です。
柔らかすぎず、ちゃんと押し返してくれるので、クッションは勿論、サイズに悪影響もありません。
サラッと詰め終わってますが、吊り代が次々浮いたり言うこと聞かんかったんで大変でした。
いや、中底薄いからやろ!は言わんといて(笑)
せっかくエエ革使うてくれてるんで、削りたくなかったんですけど、ちょっとだけ均させていただきました。
この時点では完全にスニーカーの感触!
縄跳び、つま先で軽やかに楽勝でっせ( ´∀`)
ちなみにクッション材は段差の都合で二重に入ってます。
と言ったところで明日に続く♪
ほなー!(゜ロ゜)
3/3 合い底を作るの巻♪
さて、次はアッパーの張り出し部分、ウェルト代わりの合い底を作ります♪
コレも特注のペラペラのベンズ革です。
画像では、片側の仕上げが終わって、もう片方の部品に付き合わせて貼り付けてザックリ切ったとこです♪
さて、先ほどの部品を仕上げて着色して貼り付けると、こんな感じでウェルトっぽくなります。
まずは、この底をアッパー本体にマッケイ縫いで縫い付けてから本底を貼り付けて、この張り出し部分に出し縫いを掛けると言う訳です♪
ブラックラピド製法はマッケイの足合わせのしやすさとグッドイヤーウェルト製法の防水性能、耐久性に近いものが得られる、エエとこ取りの製法なんですよ♪
見ての通り、均等な幅ではありません。
アッパーの立体を潰さないラインなんですよ♪
と言ったところで明日に続く♪
ほなー!(゜ロ゜)
3/4 合い底を縫い付けるの巻♪
さて、マッケイ縫いでの底縫いが掛けられました♪
画像の向かって左側の底をよーく見て下さい。
ボコッと出てるとこを均してます。
コレは鶴ちゃんのアッパーがしっかりしてるからです。
強いんで、合い底にも少し干渉します。
そんな訳で削って均すんですけど、絶対に穴を空けんように慎重に均してます♪
コレやると更にスニーカー感アップ(笑)
さて、今回の本底はダイナイトです♪
Mさんの関節の位置に合わせて曲げ倒します(゚Å゚)
コレでもか!コレでもかーーー!
このように、ダイナイトが貼り付けられたところで明日に続く♪
ほなー!(゜ロ゜)
3/5 ダイナイトに溝を彫るの巻♪
さて、底縫いを掛ける為の溝彫りをします♪
このような道具で溝を彫ったとこですが、あんまり歯が立たんのですよ。
と言う訳で、深く彫る為には?
このように、一周溝彫り痕の外周と内周に沿って、Vの字の切り込みを入れて切り取ってます♪
このように、輪ゴムが出来ます( ´∀`)
コレ、楽しいんで同業さまは是非やってみて下さい♪
集中力のトレーニングにもなると思います!
と言ったところで明日に続く♪
ほなー!(゜ロ゜)
3/6 底縫いに行こう♪の巻♪
さて、底縫いです♪
毎度お馴染みの山林さんに縫うていただいて・・・
こんな感じです♪
さて、ヒールを取り付けます♪
ダイナイトに接着剤がよー効く言うても、やっぱりちゃんと荒らして付けてます♪
と言ったところで明日に続く♪
ほなー!(゜ロ゜)
3/7 ヒールを固定するの巻♪
このように、ヒールはビスで固定されます♪
一般的に同径のビス類と釘類を比較すると、ビス類の方が5倍程度の保持力があるそうです。
昔ながらの作り方とか風情やら何たらもあるかも知れんけど、逆回転で靴にダメージを与えずにバラせるんで、当店ではヒールの固定はビス類一択です。
ちなみにコレはステンレスのビスやし強いで~♪
もう殆ど出来上がり♪
あとは・・・
ちょっと見にくいかも知れませんが、「靴工房いっかど」の刻印が入ってます♪
靴工房いっかどコラボと言う事で、ちゃんと刻印入り中敷きも作ってくれてます♪
と言ったところで明日は最終回♪
ほなー!(゜ロ゜)
3/8 完成♪
ハイ完成♪
ヒールの積み革は二枚です。
ここをスポンジとかで作ると更にスニーカー感アップ!
今回は止めときました(笑)
見た目には判らん履き心地。
コレばっかりは履いてみんと判らんと思います。
アカン靴は足入れの瞬間からダメです。
履き慣らすと言うのも勿論ありますけど、骨の位置が間違ってるモンはいつまで経っても痛いです。
お客さまが痛いと言う事実は、結局は作り手の技量が足らんのですよ。
当店の作る底は馴染みの早さと耐久性に重点を置いてます。
痛い靴を我慢してはいけません。
絶対に足が負けるからです。
このように、左右の足に巻いて組み立てても不具合が出る事はあります。
しかし、それを簡単に調製出来る構造で作ってありますので、ご安心下さい♪
何回でもやり直し保証してます!
「靴工房いっかどコラボ♪」
連載終了です♪
ほなー!(゜ロ゜)